「自己確立 自他共楽」…自己変革を社会変革へ繋げる
少林寺拳法の基本理念は、「自己確立」「自他共楽」の2つが柱になっております。「自己確立」とは、頼れる自分をつくること、「自他共楽」とは、相手の思いに立って行動すること、と言い換えることができます。開祖宗道臣先生の言葉をお借りすれば、「半ばは自己(じこ)の幸せを 半ばは他人(ひと)の幸せを」となります。他人と比較すると、「自分なんて、ダメだ。」と思いがちですが、呼吸し続けたり心臓を動かし続けたりするような、私たちが当たり前に行っていることでさえ、現代の最新テクノロジーを集結しても再現できないようなハイレベルの事を誰もが行っていると言えます。自分の中にある素晴らしい力を信じ、自分の感性が良いと感じる事を行い続けた時、なりたい自分に少しづつ近づくことができるのだと確信します。そして、それに伴って周りも変わっていくのでしょう。
開祖は「人づくりによる国づくり」とも言われました。国内外を問わず様々な問題や争いごとがあります。一人一人が変わることによって、世界から争いさえもなくなる。「人・人・人、全ては人の質による。」という少林寺拳法開創時の理念に立ち返り、令和6年も、皆様と共に楽しく充実した修練を行い、少林寺拳法の修行が皆様の何かをより良い方向へ変える一助となればと願っております。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(令和6年 1月)
大垣道院道院長 松原 光孝